鉄鉱石価格と豪ドル・円レ-ト

豪ドル・円レ-トへの影響

豪ドル・円 FX を始めるなら知っておかなければならないのが、鉄鉱石価格。
これが変動すると豪ドル・円レ-トも変動します。
中国の2016年8月の粗鋼生産量は 6857万トンに増え、やっと増加に転じました。
ここまで鉄鋼ニーズの減少を見越して、その原料となる鉄鉱石は 2013年から下落を始めました。
一時は150ドル台まで上昇した鉄鉱石が、いまや3分の1の価格にまで下落しています。
さらに、2015年5月に発表されたIMF(国際通貨基金)の価格見通しでは、2016年まで50ドルを下回る水準が続くとされました。

  1. 最大の鉄鉱石需要国・中国  

    世界ベースでの鉄鋼生産量を見ると、その半分が「スクラップ鉄」から生産されています。
    米国では鉄鋼生産の6割がスクラップ鉄と言われており、建築廃材や中古車などから安定的に鉄材を加工して 鉄鋼を生産することができます。
     一方、発展途上の中国にはスクラップ鉄がなく、ほとんどの鉄鋼生産に鉄鉱石を使うことになります。
    実際、中国は世界一の鉄鉱石産出国であり、そのシェアは47%(2014年)です。
    第2位のオーストラリア21%、第3位のブラジルの10%を大きく引き離しているものの、 中国が消費する鉄鉱石は世界全体の7割以上を占めると言われています。
    鉄鉱石需要の大半を消費する中国経済に減速感が出てきたことが、鉄鉱石下落の最大要因と言えます。

  2. 価格下落でも生産続ける供給会社

    1年間で6割も価格下落した鉄鉱石市場ですが、価格暴落の原因のひとつに供給サイドの問題があります。
    鉄鉱石の生産はブラジルの「ヴァーレ」、オーストラリアの「BHPビリトン」「リオティント」 の3社が6割程度のシェアを握っており、鉄鉱石価格を下落させることで中小の鉄鉱石生産会社を 業界から排除する狙いがあるのではないかと言われています。

  3. 中国が抱える鉄鉱石在庫

    中国経済の景気減速は今や確信に変わっており、そう簡単には景気を回復できそうもありません。
    言い換えれば今後中国の粗鋼消費量は減少していく可能性があり、 中国の鉄鉱石生産高や在庫の状況によって、鉄鉱石価格は大きく揺れ動くとみていいでしょう。

  4. オーストラリア経済に大きな影響

    原油価格の下落は、世界経済全体に大きな影響を与えます。
    では、原油価格と同じく鉄鉱石価格の下落は、どんな影響を与えるのでしょうか。
    世界最大の鉄鉱石輸出国であるオーストラリア経済は GDP を2.2%(2014年)、 輸出国第2位のブラジルも 0.7%(同)引き下げたと言われています。
    こうした鉄鉱石価格下落に苦しむオーストラリアは、以前から中国経済に大きな影響を受けており、 とりわけ通貨の豪ドルは中国経済に翻弄されてきた部分があります。
    ここへきて、鉄鉱石価格は下げ止まったかのように見えます。
    さてどうなるのでしょうか。

鉄鉱石細粒 62% Fe CFR 価格をみる

鉄鉱石価格を語るときの指標が、鉄鉱石細粒 62% Fe CFR 価格。
Investing.com が提供している
鉄鉱石細粒 62% Fe CFR マ-ケット情報 (IE/Edge からは閲覧できません)
が使いやすいと思います。
ここへ行って、鉄鉱石価格をチェックしてみましょう。
「チャート全体を見るために回転してください」の注意がでたらプラウザの表示幅を広げてください。
ただこのサイト更新は1週間に一度、遅延して表示されるようです。
最新ではないので注意してください。

長期レ-ト

長期的にも鉄鋼石価格が豪ドル/円 レ-トと相関性があるのか検証してみました。
鉄鉱石細粒 62% Fe CFR 価格(米ドル/トン)の変化と豪ドル・円の月足を上下に表記してみました。
上段は1トン当たりの米ドル価格、下段は豪ドル・円レ-ト(円)月足です。
為替レ-トは沢山の要因で決まりますので、一概には言えませんが、 ほぼ、鉄鉱石価格が下がると豪ドル安・円高になると言えます。


鉄鉱石細粒 62% Fe CFR 価格

鉄鉱石細粒 62% Fe CFR 価格  2014年1月~16年11月


豪ドル・円レ-ト(円)月足

豪ドル・円レ-ト(円) 月足        2014年1月~16年11月


これで、鉄鉱石価格と豪ドル・円レ-トについての記述は終わりです。
引き続き、大連鉄鉱石価格と豪ドル・円レ-トについて述べたいと思います。


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